犬の1日の脂質摂取量は?病気やおすすめのおやつについても解説 !

2022年8月30日

犬にとって、脂質は本当に必要なのか、1日にどれくらい脂質を与えてよいのか気になるところです。 今回は、犬の1日の脂質摂取量について解説していきます。脂質を適当に与えていると、肥満に繋がったり、最悪の場合命に危険を及ぼす可能性があります。この記事の内容をもとに、脂質に関する理解を深め、あなたの愛犬が末永く健康でいられることを祈っております。おすすめのおやつなどについても解説してますので、ぜひ最後までご覧ください。

犬にも脂質は必要なの?

脂質は三大栄養素の1つであり、タンパク質や糖質に比べ、約2倍ものエネルギーとして働きます。さらに、他の栄養成分に比べて、消化もしやすく、体が優先的にエネルギーとします。細胞膜や、体の機能調節として使われる「性ホルモン」や「副腎皮質ホルモン」などでも必要とされ、生きていくためには欠かすことの出来ない大切な栄養成分です。脂質の中でも特に重要とされているのが、必須脂肪酸。この必須脂肪酸は、体内では合成出来ないため、食事から取り込む必要があります。必須脂肪酸には以下の種類があります。 ・n-6(オメガシックス) 系脂肪酸『リノール酸』 ・n-3(オメガスリー)系脂肪酸『a-リノレン酸』『EPA』『DHA』 必須脂肪酸は、皮膚・被毛の健康や繁殖、免疫、発育機能などに影響を与えます。熱や光、空気に触れていると酸化しやすい性質があるため注意が必要です。

人と犬、栄養の取り方の違い

動物が摂取する食べ物の種類の事を食性といいます。食べる物が違うという事は、消化器系や歯の作り、腸内細菌の数などに細かな違いが生じてきます。
▼人間と犬の違い


犬の主食は、肉や魚のたんぱく質類です。一方人間の主食はパンや米などの炭水化物類となります。犬の唾液には、デンプンを消化するアミラーゼが含まれていません。そのため、人間のように炭水化物を上手く消化することが難しいといえます。そのかわり、犬は人の20倍ともいわれている強力な胃酸で、生肉や骨を分解できます。また、腸も人間に比べて短いため、肉類の消化副産物を素早く排出できるのです。 このように、人間と犬では栄養の吸収の仕方が違うため、犬の健康なからだを維持するには脂質やたんぱく質が大変重要になります。

犬の1日当たりの脂質量は?

犬に与えるべき脂質の必要量は、AAFCO(米国飼料検査官協会)やNRC(National Research Council 米国科学アカデミーの米国研究評議会)にて定められています。日本はAAFCO(米国飼料検査官協会)に準じています。脂質の必要量は、成犬・維持期で1.38g/100kcalとし、必須脂肪酸の必要量はリノール酸275mg/100kcal、と定めています。犬に必要な脂質量はライフステージによっても異なります。次に、それぞれのライフステージに合わせた脂質量について解説していきます。

子犬の場合

子犬は成長のために多くのエネルギーを必要とするため、脂肪の必要量は、成犬・維持期に比べて約1.5倍高いとされています。リノール酸に関しても、約1.2倍多い 325mg/100kcalと定められています。ダイエットなどを理由にこの時期に脂質を制限してしまうと、必須脂肪酸の不足により、骨が変形してしまう可能性も。子犬期に摂取した栄養成分は、犬の一生に関わってきますので、充分な栄養をとらせるように心がけましょう。

老犬の場合

老犬になると消化吸収能力が低下していきます。脂質や脂肪の明確な必要量は定められてはいませんが、脂肪を多くとってしまうと、膵臓に負担をかけてしまう恐れがあるため、成犬時よりも少なくすると良いでしょう。フードを選ぶ際も、粗脂肪の含有率が低めに設定されている高齢犬用のものを選択することをおすすめします。

犬が脂質を摂りすぎるとどうなるの?

人間同様、脂質を過剰摂取すると、肥満になる恐れがあります。脂質が高いフードは嗜好性が高まるため、ついあげたくなってしまいますが、適度な量に調節することが大切です。脂質を摂り過ぎると以下の症状があらわれる危険性が高まります。 ・肥満 ・下痢 ・脂質異常症 ・膵炎 膵炎は、軽度であれば命に関わることはありませんが、重度になってしまうと死亡することもあるため、早期の治療が必要となります。脂質の過剰摂取はさまざまな病気を引き起こすため、ライフステージや活動量に合った、適切な量の脂質を与えるようにしましょう。

犬が脂質不足だとどうなるの?

脂質を極端に制限すると、脂質不足によるさまざまな症状があらわれはじめます。 ・皮膚の乾燥、かゆみ ・毛の光沢がなくなる ・新生子の異常や死亡 ・筋肉組織の生成が低下 皮膚に関わるトラブルが多くみられるようになり、進行すると皮膚炎になる恐れがあります。また、妊娠中に脂質が不足すると新生子の異常や死亡につながってしまうことも。長時間、放置されたドライフードは脂肪が酸化している可能性があり、成分表通りの脂肪を摂取できない可能性があります。脂肪の不足を防ぐためにも、新鮮なフードを適量与えるように心がけましょう。

脂質異常の原因

脂質異常の原因は遺伝的な要因から病気まで様々です。原因について解説していきます。

遺伝性

ミニチュアシュナウザーは高中性脂肪血症に、シェットランドシープドッグは高コレステロール血症になりやすいことが知られており、遺伝的な要因が関わっていると考えられています。

糖尿病

糖尿病はインスリンの不足や、インスリンは足りているにも関わらず効かなくなってしまうなど様々な原因で発症します。特有の目立つ症状はありませんが、初期症状としては飲水量の増加、尿量の増加(多飲多尿と呼ばれます)や食欲はあるのに体重は減ってしまうなどが挙げられます。この様な様子が見られたらかかりつけの獣医師さんに相談してみましょう。

クッシング症候群

クッシング症候群は、コルチゾールというホルモンが過剰分泌されることが原因の内分泌疾患です。多飲多尿や脱毛、腹囲膨満などさまざまな症状が認められ、糖尿病を併発することもあります。血液検査やACTH刺激試験、画像診断等を併せて診断されます。

甲状腺機能低下症

甲状腺機能低下症は、クッシング症候群に次いで多く見られる、犬の内分泌疾患です。甲状腺ホルモンの欠乏により、肥満や運動性の低下、無気力な状態になりやすいとされています。脱毛や皮膚の色素沈着がみられることもあります。

犬に与える脂質は何でもいいの?

犬に脂質を与える場合、必須脂肪酸を正しい割合で与えることが大変重要になります。 必須脂肪酸はn-6(オメガシックス) 系脂肪酸とn-3(オメガスリー)脂肪酸がありますが、その2種類の割合が適切でないと、効果が発揮できません。正しい割合は以下の通りです。                                  n-6(オメガシックス) 系脂肪酸:n-3(オメガスリー)系脂肪酸=30:1以下、n-6(オメガシックス) 系脂肪酸に少量のn-3(オメガスリー)系脂肪酸を少量加えることで、効果が発揮できるでしょう。n-6(オメガシックス) 系脂肪酸のリノール酸は、陸上動物にn-3(オメガスリー)系脂肪酸のαリノレン酸は海藻に多く含まれ食物連鎖の結果として魚介類に比較的多く含まれています。同じ脂質でも、バターやホイップクリームは脂肪過多になりやすく、肥満に繋がりやすいため、与えるのは控えるようにしましょう。

犬の脂質不足におすすめの食事・おやつ

犬の脂質不足を補うには、嗜好性が高く、質の良い油を含んだ食べ物を摂取すると良いでしょう。犬の脂質不足におすすめの食事を紹介します。

馬肉

高たんぱくで低脂肪の馬肉は、子犬から老犬まで与えても問題ありません。嗜好性が高く、脂質不足の犬でも喜んで食べてくれるでしょう。ただし、生の馬肉を与える場合は、細菌や微生物に汚染されている可能性があるため、人間が食べられる馬刺しを与えると良いでしょう。下痢などの症状が見られる場合には与えるのをやめ、すぐに獣医師に相談することをおすすめします。 ドッグフード工房の馬肉フードはこちら

EPAやDHAを含む魚類

鯖にはEPAやDHAといった、他の食材では摂取することが難しい必須脂肪酸を多く含んでいます。犬が鯖を食べても問題はありませんが、鮮度が低下した鯖を与えてしまうと、ヒスタミン中毒が起こる可能性があります。ヒスタミン中毒は、過熱をしても防げません。嘔吐や下痢、発熱の症状が見られる場合には、すぐに与えるのをやめるようにしましょう。おやつとして、魚を主原料としたものを与えるのもおすすめです。 ドッグフード工房のおやつはこちら

犬のダイエット・脂質の過剰摂取におすすめの食事・おやつ

脂質はタンパク質や炭水化物に比べて2倍以上もカロリーが高いです。そのため、過剰摂取すると、肥満になったり、他の病気を引き起こしたりする可能性があります。食材を上手に選ぶことで、脂質の摂取量を調節できるでしょう。

食物繊維

食物繊維には、便通を改善したり、血中コレステロールを抑制したりする働きがあります。減量効果も期待ができるため、ダイエット中の犬に与えると良いでしょう。食物繊維は、必須の栄養素ではないため、適量が定められていません。ただし、与えすぎてしまうと、痩せすぎてしまったり、下痢になる恐れがあるため、適量を心がけるようにしましょう。

鹿肉

鹿肉には、良質なタンパク質と必須脂肪酸が多く含まれています。脂質の量は、牛や豚などに比べて少ないため、ダイエット中の犬におすすめです。また、牛肉の約2倍のアセチルカルニチンというアミノ酸が含まれていて、このアミノ酸は脂肪燃焼の際に利用されます。また、鹿の生肉は酵素が多く含まれるため、毛艶がよくなるなどの効果が期待できます。ただし、サルモネラ菌などの食中毒やE型肝炎に感染する恐れも。万が一に備えて、十分に火を通して与えた方がよいでしょう。 ドッグフード工房の鹿肉フードはこちら

低脂肪ドッグフード

脂質量が通常のフードよりも低く抑えられているものを低脂肪ドッグフードといいます。この低脂肪ドッグフードを摂取させることで、生活環境や体型に合わせて、手軽に脂質の量を調節することができます。脂質を消化する機能が低下しはじめたシニア犬にも、低脂肪ドッグフードはおすすめです。

正しい低脂肪ドッグフードの選び方とは

低脂肪フードは、病気を抱えている犬や、ダイエットをしている犬におすすめのフードです。愛犬に合った低脂肪フードを選んであげることで、脂質の量を制限しながら、他の栄養成分もバランスよく摂取できるでしょう。

タンパク質の含まれたものを選ぶ

タンパク質は筋肉や骨、皮膚を組成する犬にとって大変重要な栄養成分です。タンパク質の適量はライフステージや犬の活動量によっても異なります。運動量が多い犬には高タンパクなフードを与えると良いとされています。一方、室内飼いやシニア犬などは、活動量がそこまで多くないため、タンパク質の与えすぎには注意が必要です。フードに含まれているタンパク質の量が、それぞれの生活環境に適した量なのか、チェックすることが大切です。また、動物性タンパク質と植物性タンパク質がバランスよく含まれているかも確認することをおすすめします。タンパク質に含まれる必須アミノ酸は、動物由来と植物由来のタンパク質を組み合わせることで効率よく摂取できます。そのため、タンパク源に偏りがないことも、優れた栄養を摂取するためには重要となります。

脂質10%以下のものを選ぶ

市販されているドッグフードの脂質量は平均13〜14%です。一方、低脂肪フードには明確な基準がないため、中には脂質12%のフードも低脂肪としている場合があります。脂質制限が必要な犬にとっては、12%の脂質だと多すぎる場合も。そのため、脂質10%以下のフードをお勧めします。実際、AAFCOの定める脂肪の最低水準は子犬が8.5%以上、成犬が5.5%以上となっています。この数値よりも低い脂質量だと、犬の成長に支障をきたしたり、病気を引き起こしてしまう可能性があります。さらに、極端に脂質量が低いフードは嗜好性が低く、好き嫌いが多い犬は食べてくれない可能性もあります。そのため、最低水準を下回らないように気を付けましょう。

使用されている油の種類を確認する

油の種類は動物性油脂や植物性油脂などドッグフードの種類によってさまざまです。ドッグフードに使用されている油は、嗜好性を高め、食いつきが良くなる役割があります。また、チキン系のオイルやヒマワリ油はリノール酸などのオメガ6脂肪酸を多く含み、ニシンなどのフィッシュオイルにはEPAやDHAなどのオメガ3脂肪酸が豊富に含まれています。一言で油といっても、種類によって効果はさまざまです。中には、成分表をみても、動物性油脂とだけ書いてあり、種類が明確でないものもあります。そのため、成分表をしっかりと確認して、油の種類が明確なものを選択するようにしましょう。

アレルゲンが入っていないフードを選ぶ

食物アレルギーは、食事中のたんぱく質に対して免疫が過剰に反応することで引き起こされます。原因として、牛肉が一番多いと言われてはいますが、ワンちゃんによって原因となる食材は様々です。血液検査などで原因の目星をつけることができるので、アレルギーの可能性がある食材が含まれていないか確かめるための助けになります。また、添加物はアレルギーだけではなく、発がん性物質を含むものもあります。エトキシキンやBHA、BHTなどは、酸化防止剤などで使われていますが、犬の健康を害する危険性があります。 犬の健康のためにも、ドッグフードは完全無添加のものを選択することをおすすめします。

脂質バランスの良いおすすめ商品3選

ドッグフード工房のドッグフードは、選び抜かれた新鮮な生の食材を使用しています。手作りごはんをお手本にした「生づくり製法」を取り入れており、手間を惜しまず調理をしています。犬に必要な全ての栄養を天然食材のみでとることができる、たくさんの魅力がつまったフードです。 次に、脂質バランスの優れたおすすめフード3選を紹介していきます。 ドッグフード工房の馬肉 このフードはアレルゲンになりにくい馬肉を原材料としています。高たんぱくで低カロリー、低脂肪でミネラルや繊維質を豊富に含んでいます。鉄分や体力の源ともいわれているグリコーゲンは牛肉の2倍。食物アレルギーにも配慮して作られています。
ドッグフード工房の鶏肉 鶏肉を主原料としたこのフードは、国産のものを使用した低脂肪フードです。脂肪の多い皮は取り除いた、高たんぱく部位のむね肉を使用。皮膚に良いとされている脂肪酸が豊富で、消化・吸収にもすぐれている鶏肉は、皮膚や胃腸の健康をサポートします。
ドッグフード工房の特選 本鰹(かつお)パフ 本鰹パフにはDHAやEPAの必須脂肪酸が豊富に含まれています。鹿児島県枕崎産の本鰹節を独自で加工し、完全無添加で仕上げました。ドッグフードだけでなく、おやつの栄養素にも気を配ることで、健康を長く維持できるでしょう。 ドッグフード工房では、繰り返し注文する手間がかからない、定期購入の「できたて定期便」をおすすめしています。 欲しいタイミングでつくりたてが届くため、買い置きしておく必要がなく、買い忘れの心配もありません。さらに、できたて定期便なら、最大14.5%OFFと、お得にフードを買うことができます。素材にこだわったおやつも10%OFFで購入できるため、大変お得です。 またWEBでいつでも解約が可能。次回お届け週の1週間前までに連絡すれば、内容の変更や解約が簡単にできます。全国一律送料が無料なのも嬉しいポイントです。

まとめ

今回は、犬の1日の脂質の摂取量について解説していきました。脂質は、適切な量を与えないと、犬の健康を害してしまう可能性があることがわかりました。本記事の内容を参考に、ぜひ、適切な量の脂質をあなたの愛犬に与えていただけたらと思います。良質な油を与えることで、毛艶が良くなったり皮膚にうるおいが出たりと嬉しい効果が期待できます。 愛犬が長く健康で過ごせるように、成分にはこだわって食事を与えると良いでしょう。 今回は、最後まで読んでくださってありがとうございました。

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