【獣医師監修】犬の歯磨きの疑問を解決!頻度や方法、嫌がるときの対処法など一挙紹介

2024年7月16日

犬の歯磨きについて疑問をたくさん持っている人もいるでしょう。
「どのくらいの頻度?」「やり方は?」「嫌がる犬にはどうすれば?」など、犬の歯磨きについての疑問についてお答えします。
歯磨きをしないことで起こる病気のリスクを知り、犬と楽しく歯磨きを行いましょう。

犬に歯磨きは必要なの?

人間の場合は定期的な歯磨きで口内の衛生を保ちますが、それは犬の場合も同様で歯磨きを行うことで、歯磨きによって口内の衛生を保つことができます。
口内環境を清潔に保つことで、歯周病を予防することができ、犬と飼い主さんのスキンシップにも繋がります。

犬が歯磨きをしない場合に考えられる病気

歯磨きを怠った場合に心配になるのが虫歯です。しかし、犬は唾液のpH値が人間よりも高くアルカリ性のため、虫歯菌が繁殖しにくい口内環境になっています。
その代わりにアルカリ性は歯石が付着しやすく、歯垢が石灰化して歯石に変わるスピードは人間の5倍とも言われています。
歯石が多く付着することで、口臭がきつくなったり、歯周病になるリスクが高くなります。

歯周病は、歯を支える歯茎などの組織に炎症が起こり、悪化すると顎の骨を溶かしてしまいます。
痛みや出血を伴うため、食べ物が食べにくくなったり、元気がなくなってしまうこともあるでしょう。
口臭やよだれの原因にもなるほか、歯周病菌が血管に入ることで全身の疾患の原因にもなる恐ろしい病気です。
歯石はご家庭での歯磨きでは取ることはできないため、動物病院で歯石の除去を行ってもらうことになります。

関連リンク:【獣医師監修】犬は虫歯にならない?原因や対策、なってしまった場合の症状と治療費などを徹底解説

犬の歯磨きのやりかたとは?コツも併せて解説

犬の歯磨きはどのように行えばよいのでしょうか。まず、犬の歯がどのように生えているのか確認していきましょう。
犬の歯は乳歯では28本、永久歯では42本になり、「切歯」「犬歯」「前臼歯」「後臼歯」の4種類があります。


上顎にある歯:切歯3本、犬歯1本、前臼歯4本、後臼歯2本
下顎にある歯:切歯3本、犬歯1本、前臼歯4本、後臼歯3本


歯石が特につきやすいのは、犬歯と上顎の前臼歯、そして下顎の後臼歯です。

歯ブラシを使った歯磨きのコツ

歯磨きに慣れていない犬は、口を触られることに違和感を覚えることもあります。
まずは、手で犬の口を触る練習からスタートしましょう。
口の周りから触っていき、歯や歯茎に触れて、よくできたらご褒美におやつをあげ、たくさん褒めてあげましょう。

歯ブラシは犬用のものや、小児用の口に入れやすい歯ブラシを選びましょう。
触っても嫌がらない歯から、一本ずつ細かく歯ブラシを優しく動かして磨いていきます。
力加減は、桃の皮を傷つけない程度に、かなり柔らかく行いましょう。
歯と歯茎の間も優しくブラッシングをして、前歯の外側から奥歯の方へと移動していきましょう。
歯ブラシを歯に当てる角度は斜め45度程度で、歯から歯へ移動する時には歯ブラシで円を描くように動かしてください。

少し難しい奥歯(臼歯)の磨き方とコツ

奥歯(臼歯)は磨きにくい部分です。口をめくって、歯の外側から磨いていくようにしましょう。
上顎の大きな歯を重点的に磨いていきます。内側は軽く口を開けさせてから磨きます。
慣れるまで無理に行わず、少しずつ内側の歯磨きに慣れさせていきましょう。ご褒美のおやつを準備しておき、歯磨きを楽しいものと印象づけることがコツです。

犬の歯磨きの頻度は?

犬の歯磨きは毎日行うことが理想です。
しかし、忙しい飼い主さんの場合、毎日は時間が取れないということもあるでしょう。
その場合でも最低限の頻度として、週2〜3回は歯磨きを行ってください。

犬の歯に付着した歯垢が歯石に変わる時間は、3〜5日とされています。3日以内に歯磨きを行えば、口内環境を清潔に保つことができるためです。
しかし、唾液のpH値によっては歯垢がつきやすいこともあります。犬の個体差によって一概に言えることではないため、やはり毎日の歯磨きが理想的です。

子犬はいつから歯磨きが必要?

子犬の頃は歯石や口臭が深刻になる時期ではないものの、成犬になってから歯磨きを習慣づけるには時間がかかる場合もあります。
そのため、歯磨きは子犬の頃から習慣づけておくことがおすすめです。

子犬は生後3週間頃から乳歯が生え始めます。歯の生え方をチェックするのも兼ねて、早いうちから口を触ることに慣れさせておきましょう。
この頃から少しずつ歯磨きを始めていきます。
そして生後2~3ヶ月頃までに28本の乳歯すべてが生え揃い、生後4か月頃からは、乳歯から永久歯への生え変わりが始まり、7か月から1歳になる頃には42本の永久歯が生え揃います。

子犬の歯磨きの方法と頻度について

まだ歯石もそれほどついていませんが、歯磨きに慣れさせることを考えると、1日1回の歯磨きが理想的です。
子犬が歯磨きを受け入れやすいように、食後のリラックスタイムや、たくさん遊んだ後などに歯磨きを行いましょう。
毎日行うのは負担になる場合は、週2~3回を目安に行っていきましょう。

歯ブラシ・歯磨き粉を選ぶときのポイント

犬の歯磨きの際に使う歯ブラシ、歯磨き粉を選ぶ際のポイントをご紹介します。
まず、歯ブラシは犬用か小児用のものを選びましょう。犬用の歯ブラシは小型犬用や中型・大型犬用など、
犬種のサイズに合わせて歯ブラシもさまざまなサイズが売られています。愛犬のサイズに合うものを選んであげましょう。
犬の歯茎は敏感で、歯のエナメル質が人間に比べて薄いため、毛が硬い歯ブラシは歯や歯茎を傷つける可能性があります。
ヘッドが小さく、毛が柔らかいタイプを選ぶと安心でしょう。また、ヘッドに360度のブラシがついているものもおすすめです。
小児用の歯ブラシを購入する際にも、毛が軟らかいものを選んでください。
犬用の歯磨き粉はチキンやシーフード、モルトなど、さまざまなフレーバーがあります。
犬が喜ぶ味のものを選んであげることで、喜んで歯磨きを受け入れてくれるでしょう。

人間用の歯磨き粉は絶対に使わないで!

人間用の歯磨き粉は犬の歯磨きでは絶対に使用しないでください。
人間用の歯磨き粉にはキシリトールが含まれていることが多いのですが、犬にとってはこのキシリトールは毒性が強いとされています。
間違って使用してしまった場合には、動物病院に連れていき獣医師の判断を仰ぎましょう。

犬が歯磨きを嫌がる原因とその対処方法とは?

犬が歯磨きを嫌がる場合は、ストレスや口内の傷などが原因と考えられます。対処方法とともにご紹介します。

ストレスが原因?

犬は口の周りを触られることに慣れておらず、口を触られることにストレスを感じている可能性があります。
犬の習性として、母犬が子犬を叱る時に、戒めのために子犬の口を軽く咥えることもあるため、犬は「口を触られることは良いことではない」と感じているのかもしれません。

対処方法

対処方法としては、子犬のうちから「しつけ」のひとつとして、口を触られること、歯磨きされることに慣らすことが大切です。
犬の口の中に手を入れる前に、まずは顔や口元から触っていき、慣れてきたら少しずつ前歯、歯肉、奥歯と進めるようにしましょう。

また、デンタルケアをするとご褒美がもらえる、と覚えてもらうのもコツです。
大好きなおやつがもらえるように頑張っているうちに、歯磨きに慣れてくるでしょう。
歯ブラシのにおいを嗅がせたり舐めさせてみて、デンタルケアグッズに慣れさせることもおすすめです。

口内の傷・虫歯が原因?

口の中に傷や虫歯などがあり、痛みを感じて触られるのを嫌がることもあります。
これまで歯磨きができていたのに急に嫌がる場合には、この可能性が高いでしょう。
虫歯や歯石から細菌が歯肉に侵入することで腫れてしまい、それがさらに悪化することで歯を支える歯槽骨が溶けてしまう歯槽膿漏になっている可能性もあります。
犬が痛みを感じているような仕草を見せた場合は、すみやかに動物病院を受診して原因を調べてもらいましょう。

犬の歯磨きにおすすめのグッズ・代用品を紹介

犬の歯磨きをする際におすすめのグッズや、代用品をご紹介します。

歯磨きシート

歯ブラシを嫌がる犬でも比較的受け入れやすいグッズとして、歯磨きシートがあります。
ガーゼのような素材の布を飼い主の指に巻き付けて使うもので、口の中に手を入れられるようになったら試してみましょう。
歯磨きシートに慣れてきたら、歯ブラシに進むのもよいでしょう。

綿棒

歯ブラシよりも小さい綿棒は、違和感も少なく受け入れてもらいやすいグッズです。
歯と歯茎の境目を撫でて、歯垢を取っていきましょう。ただし、柔らかいため、犬が興味本位で咬みちぎってしもあうこともあります。
間違えて飲み込まないよう注意が必要です。

歯磨きガム

歯磨きガムはおやつとしても代用することができ、歯磨きを嫌がる犬でも喜んでかじってくれるデンタルケアグッズです。
しかし、大型犬に小さな歯磨きガムを与えてしまうと、丸飲みしてしまう危険もあります。
犬に合わせてガムのサイズを選び、かじっている間に間違えて丸飲みしないよう目を離さないようにしましょう。

歯磨き玩具(歯磨きトイ)

歯磨き玩具は、噛むことで歯の表面についている歯垢を取り除いてくれます。
楽しく噛んで遊ぶことでデンタルケアにもつながるため、歯ブラシが苦手な犬におすすめです。
雑菌が繁殖しないよう、こまめに洗って清潔な状態を保つようにしましょう。

スケーラー

スケーラーは、歯石を取り除く専用の歯科用器具です。
本来は歯科医などの専門の医師が使用するもので、先端が鋭く尖っており、力加減を間違えると犬の歯や口内を傷つけてしまうこともあります。

どうしても歯磨きを嫌がる場合はプロに任せる

犬が歯磨きを嫌がる場合には、プロに任せるのもおすすめです。
犬のためを思って行っているのですが、口を触られたり歯ブラシを口の中に入れるのがどうしても嫌という犬に無理強いすることで、関係が悪くなってしまう場合も考えられます。
また、スケーラーを使って歯垢や歯石を除去するスケーリングは、素人が行うと誤って犬の口内や顔を傷つけてしまう危険性があります。
スケーリングのような専門的な技術を必要とするケアは、獣医師などプロに任せることで、安全かつ確実に行うことができるのです。

ごはんのタイプで歯垢のつきやすさが変わるって知っていましたか?

いつも食べているごはんのタイプでも歯垢のつき方は変わります。
柔らかいウェットタイプのフードは、歯と歯の間に食べかすとして残りやすく、歯垢になりやすいとされています。
ドライタイプのフードは、ウェットタイプと比べて食べかすとして口内に残りにくいとされています。
また、噛み砕く時に歯垢を落としてくれる効果も期待できます。普段から犬に与えているフードがドライタイプのみであれば、歯磨きは週2~3回でも十分といわれています。

ドッグフード工房の”歯磨きが苦手な子におすすめ”のドッグフード

歯磨きが苦手な犬には、歯磨き回数が少なめで済むドライタイプのフードがおすすめといえるでしょう。
ドッグフード工房のフードは、カリカリのドライタイプのものも取り揃えています。
合成添加物は不使用で、AAFCO(米国飼料検査官協会)の定めた栄養基準やラベル表示に関する基準もクリアしているため、安心して与えることができるでしょう。

選べる小袋3袋セット

馬肉フード:高タンパク・低カロリー、低脂肪でミネラルや繊維質も豊富な馬肉をベースにしたドッグフードです。
馬肉はアレルゲンにもなりにくいとされているため、食物アレルギーに気を付けたい飼い主におすすめです。

野菜畑:食物繊維やビタミン・ミネラルなどが豊富な野菜を蒸して使用した、ヘルシーなフードです。
こちらのフードは脂肪酸が豊富に含まれており、消化・吸収にも優れているといわれる野菜を原材料に使用しています。
鶏肉フード:国産鶏肉を主原料にした、低脂肪フードです。
消化・吸収にも優れているといわれる鶏肉を原材料に使用することで、皮膚や胃腸の健康に配慮した栄養設計となっています。

歯磨きが上手にできたらごほうびを!

歯磨きが上手にできたらごほうびとしておやつを与えることで、歯磨きを楽しく習慣化することが期待できます。
ドッグフード工房では、ごほうびにぴったりのおやつも豊富に取り揃えています。

特選まぐろパフ

特選 鮪パフ(50g)
タンパク質・ミネラルも 豊富な枕崎・焼津産のまぐろを使用したおやつです。
防腐剤・合成保存料等の添加物は一切使用しておらず、国産の天然食材を独自製法で加工しています。


かつおジャーキー

特選 かつおジャーキー(60g)

DHA・EPAが豊富な鹿児島県産の本鰹を使用したジャーキーです
。手で割りやすく、食べごたえも抜群です。DHA・EPAが豊富なかつお節を、贅沢に分厚く削っています。

まとめ

犬の歯磨きについてご紹介しました。犬も人間と同様に歯磨きが必要であり、歯磨きを怠ると口内環境が悪化してしまい、歯周病などのリスクが高まってます。
近年では、歯周病は内臓や全身の疾患にも繋がることがわかっており、デンタルケアの重要性が広く認知されてきています。
愛犬の健康を守るためにも、こまめなデンタルケアをしっかりと行いましょう。

ドッグフード工房公式サイト