「無添加」と「完全無添加」の真実:愛犬のために本当に安心できるドッグフードを選ぶための徹底ガイド
2025年6月16日更新
I.はじめに:愛犬の健康を守るための第一歩
愛するワンちゃんに「無添加」のごはんを選びたい気持ちは、飼い主さんなら誰もが抱く自然な願いです。
しかし、「無添加」という言葉は、私たちが想像する「何も入っていない」という意味とは少し違うかもしれません。
表示だけでは安心できない現状があるため、このレポートでは「無添加」と「完全無添加」の本当の意味を分かりやすく解説し、愛犬にとって本当に安心できるドッグフード選びのヒントをお届けします。
II.「無添加」表示の現状と、知っておきたい落とし穴
「無添加」表示の真実:何が無添加なのかが重要
これまで曖昧だった「無添加」表示は、消費者庁が2024年4月より施行した「食品添加物の不使用表示に関するガイドライン」により厳格化されました。
今後は、「保存料無添加」のように具体的に何が不使用かを明記し、その機能を持つ他の添加物も使っていない場合にのみ表示が許されます。
また、製造工程で使われるが最終製品にほとんど残らない「加工助剤」や原材料から持ち越される「キャリーオーバー」という概念も存在します。
これらが関与している場合、「食品添加物不使用」表示は禁止です。
ペットフード業界では、消費者庁のガイドラインに加え、
ペットフード公正取引協議会が「公正競争規約」を定めています。
この規約では、「無添加」「不使用」表示は、
何が無添加であるかを明確に併記し、その原材料が一切使われていない場合に限られます。
ビタミンやミネラルを使用している場合も添加物に含まれますので、
これらを使用している場合には「添加物不使用」と表示することはできません。
また、添加物には、用途名併記のルールもあり、例えばビタミンE(ミックストコフェロール)は、油脂などの酸化を防ぎ保存性を高める効果があり、必要栄養量以上に保存を目的に添加した場合にはその部分については、酸化防止剤と用途を併記しなければなりません。
以下の表は、誤解を招きやすい「無添加」表示と、適切な表現の例をまとめたものです。
表1:食品表示での誤解を招きやすい「無添加」表示と適切な表現の例
誤解を招きやすい表示(不適切・禁止) |
適切な表現(推奨) |
理由と注意点 |
単なる「無添加」 |
保存料無添加 |
何が無添加か不明確な表示は禁止。具体的に不使用の添加物名を明記する必要がある。 |
人工甘味料不使用 |
甘味料不使用 |
「人工」「合成」「化学」などの用語は誤解を招くため使用禁止。 |
化学調味料不使用 |
調味料不使用 |
同上。アミノ酸を含む抽出物を原材料として使用している場合は「調味料不使用」と表示できない。 |
保存料不使用(缶詰・レトルト) |
(表示しない) |
通常使用されない添加物について「不使用」を強調することは、他社製品より優れていると誤認させるため禁止。 |
一切使用していません |
○○は不使用 |
併記しているもの以外も不使用であることを示唆する表現は禁止。
|
天然素材100%(合成ビタミン使用) |
天然由来の原材料を使用、ただし合成ビタミンを添加 |
合成成分を使用している場合、全体を「天然」と表示することはできない。打消し表示が必要。 |
III.「完全無添加」という言葉に込められた本当の想い
なぜ「完全無添加」という表現が使われるの?
「完全無添加」という表現は、曖昧な「無添加」表示をする製品が多い現状に対し、「一切の添加物を使用していない」という強い意思を示すために使うようになりました。
「無添加」という言葉だけに頼らず、本当に安心できるフードを見分けるには?
「無添加」という言葉だけを鵜呑みにせず、以下の点を総合的に確認することが重要です。
•原材料リストの徹底確認:
ペットフード安全法では、全ての原材料を表示しなければならないと定めています。原材料を確認してよくわからない原材料がないか確認することが大事です。
•賞味期限の短さ:
保存料がないため必然的に賞味期限は短くなります。
•適切な梱包:
酸化を防ぐための脱酸素剤の封入や真空パックなど梱包が工夫されているか。
IV.安心できるドッグフード選びの重要ポイント:AAFCO基準と天然素材の挑戦
「総合栄養食」って何?AAFCO基準の役割と二つの証明方法
「総合栄養食」とは、犬や猫が必要とする全ての栄養基準を満たし、
そのフードと水だけで健康を維持できる「毎日の主要な食事」として与えるフードのことです。
この「総合栄養食」の基準として世界的に認められているのが、AAFCO(米国飼料検査官協会)の栄養基準です。
AAFCO自体は認証機関ではなく、犬や猫の健康維持に必要な栄養素の最低値や上限値を設定しています。
日本のペットフード公正取引協議会は、国内で「総合栄養食」と表示するために、このAAFCOの栄養基準を満たす二つの方法を採用しています。
1.分析試験による栄養基準:
フードの成分を分析し、AAFCOが定める栄養素の基準値を満たしているかを確認する方法です。
2.給与試験プロトコール:
実際に犬にフードを与え、
一定期間の健康状態や成長を観察することで、
そのフードが総合栄養食として適切であるかを証明する方法です。
この試験では、犬の健康状態が維持できるか、成長が適切かなどが確認されます。
つまり、「総合栄養食」と書かれているフードは、これらの世界レベルの栄養基準のいずれかを満たしていると判断できます。
これにより、愛犬の成長段階に応じた栄養バランスが科学的に保証されているかどうかが、真に安全なドッグフードを選ぶ上で極めて重要になります。
天然素材のみでAAFCO基準を満たすことへの挑戦と、ドッグフード工房の特別な取り組み
天然素材のみでAAFCO基準を満たすことは、非常に大きな挑戦です。人間がサプリメントを摂らずとも健康を維持できるように、犬もまた、自然な食事から必要な栄養をバランス良く摂れることが理想的だと考えられます。
このような背景の中で、ドッグフード工房が「完全無添加」でありながら、AAFCOの給与試験をクリアした「総合栄養食」を提供していることは、世界的に見ても非常に珍しく、特筆すべきことなんです。
給与試験は、フードが犬の体内で機能し、長期的な健康を維持できるかを実証する、最も厳格で実践的な評価方法だからです。
したがって、本当に安心できるフードを選ぶ際には、「何が無添加なのか」を明確に確認することに加え、AAFCO基準が示す栄養の完全性をどのように達成しているか、つまり、分析試験又は給与試験のどちらで達成したのか、ということを確認し評価することが、愛犬の健康を守る上で極めて重要になります。
犬に必要な栄養素と添加物の役割
犬に必要な栄養素は、タンパク質、脂肪、炭水化物、ビタミン、ミネラル、そして水です。これらがバランスよく摂れていることが、愛犬の健康には何よりも大切です。
原材料だけでは栄養バランスが不足するのであれば、合成添加物、特にビタミンやミネラルが必須栄養素を補い、ドッグフードの栄養バランスを最適に保つ上で重要な役割を担うことになります。
大切なのは、不必要な添加物を避けることと同様に、適切な栄養バランスであるかどうか、ということが重要です。
原材料表示を賢く読み解くコツ
原材料は使用量の多い順に表示されます。具体的な動物名や魚の種類が明記されているか、また、何かがよくわからない原材料名がないか、確認しましょう。
V.無添加ドッグフードの適切な保存方法:新鮮さを保つために
期限が短いのはなぜ?酸化のリスクを知ろう
保存料が使われていない「無添加」ドッグフードは一般的なフードに比べて賞味期限が短くなってしまいます。
酸化を防ぐための賢い工夫:真空パック、脱酸素剤、密閉容器の活用
無添加ドッグフードの品質を保つためには、適切な保存方法が不可欠です。
•密閉容器と遮光性:
ジップロックのような密閉できる袋や、アルミ製のジップ付き袋に入れ、脱酸素剤や除湿剤と併用することが推奨されます。
光を通さない容器や場所も重要です。
•冷蔵庫保存の注意点:
ドライフードを冷蔵庫で保存することは、扉の開閉による温度差で湿気が生じ、品質劣化を招く可能性があるため避けるべきです。
•最適な保管場所:
直射日光が当たらず、温度変化の少ない冷暗所が理想的です。
Ⅵ.ドッグフード工房の賞味期限は短い。でも、だからこそできたて

完全無添加のフードは、防腐剤や酸化防止剤を使わないため賞味期限は製造から3か月。
市販のドライフードよりも短く感じられるかもしれませんが、それは「何も入れていない証拠」でもあります。
そこで私たちは、「できたて定期便」という仕組みを導入しました。
できたて定期便の流れ
1.定期便による計画的な生産
2.食材を工房で低温調理
3.出来たてのフードを発送
4.ご自宅へフレッシュな状態でお届け
この仕組みにより、いつでも新鮮なごはんを、保存料なしで安心してお届けできるのです。
よくあるご質問(FAQ)
Q.無添加ドッグフードの中でも、なぜ「完全無添加」が必要なのですか?
A.一般的な「無添加」は合成栄養素や酸化防止剤を含んでいることがあります。
完全無添加はそれらも不使用で、ご家庭でつくる手作りごはんを再現した、自然な状態に近いごはんです。
Q.栄養が偏る心配はありませんか?
A.給与試験を実施しAAFCO栄養基準に適合していることが証明されています。
素材の組み合わせと調理法(生づくり製法)で調理することで実現しました。
Q.賞味期限が短いのは大丈夫?
A.短いのは、保存料を使っていない証拠。できたてを定期便でお届けするので、いつでも新鮮です。
まとめ:本当の安心は、“表示”だけでは分からない
「無添加」という表示は魅力的ですが、
その意味するところは複雑であり、誤解を招きやすい側面があります。
表示の全てを鵜呑みにせず、その裏にある真実を見極める力が求められます。
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「無添加」と表示されていても、実際には合成栄養添加物が含まれていることがある |
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ドッグフード工房では、「完全無添加」を掲げ、添加物ゼロを実現 |
「食べ物」は、愛犬の「いのち」を支える大切なもの。
だからこそ、正直で、本当に安心できるごはんを選んであげたいですよね。
皆さんと愛犬の健やかな毎日をサポートする一助となれば幸いです。
最後まで読んでくださいまして、ありがとうございました。
▶ドッグフード工房公式サイト