【獣医師監修】犬の妊娠期間や症状は?妊娠兆候も解説!

2026年4月8日

本記事では、犬の妊娠についてや、その期間の症状、対処法などをご紹介します。犬の妊娠や兆候について知っておき、いざ妊娠となった場合でも安心して出産できるよう準備しておきましょう。

犬の妊娠期間ってどれくらい?

犬の妊娠期間は約2か月、平均の日数では62日前後とされています。母犬の体格や体調、そして胎仔(たいし、動物の赤ちゃんのこと)の数によって5日程度前後することもあります。受精を0日として、受精後、胚は約8~10日ほど卵管内で発育し、その後子宮へ移動します。着床は交配後17~21日頃に起こるとされています。そして子犬として排出されるまでに60日前後と考えることができます。

犬の交配タイミングや年齢は?
犬の交配タイミングは、排卵後の4~5日間です。 出血がみられてから 9~15日頃に排卵が起こることが多く、排卵後2~4日頃が受精しやすい時期とされています。

メス犬を交配させる年齢は1歳半~6歳頃までが理想とされています。 母犬が若すぎると、自分の成長のための栄養をお腹の子犬に取られてしまいます。また、犬種によって異なりますが、犬は6歳を過ぎた頃からシニア期に突入し、筋力や免疫機能が衰える時期に差し掛かります。そのため、妊娠、出産の際の母犬への影響が大きく、難産になりやすい傾向にあります。

またパートナーを選ぶ場合に気をつけたいのは、体格差です。メス犬より体格が大きなオス犬をパートナーとした場合、お腹の子犬が大きくなり、難産になる傾向があります。パートナーとしては、メス犬よりも小柄なオス犬を選ぶことで、出産がスムーズになる可能性があります。


犬の妊娠の兆候と注意点

犬の妊娠にはどのような兆候が見られるのでしょうか。早めに気付いて対応できるよう、知っておきたい兆候と注意点についてご紹介します。

犬の妊娠初期(1~3週)
交配から1~3週間は妊娠初期とされています。卵管内で受精が行なわれ、細胞分裂を繰り返しながら子宮内に向かって下降した受精卵は、やがて子宮内膜に接着し着床します。受精してから、約11~23日で着床が始まるとされています。着床時期には食欲低下や嘔吐など、つわりのような症状が現れたり、味覚が変わり、これまで気に入って食べていた食べ物を食べなくなることもあります。つわりのような症状は1週間程度続くことがありますが、通常は自然とおさまります。

胎仔の器官を形成している大切な時期ですので、もしそのような症状が見られたら、薬物投与やワクチン接種などは控えましょう。また、過度な運動やシャンプーなど強いストレスや負担のかかる行為は避けるようにしましょう。

犬の妊娠中期(4~6週)
4~6週目は妊娠中期とされ、いわゆる安定期に当たります。受精卵が無事に子宮に着床していますので、適度な運動であれば問題なく、シャンプーもこの期間にしておくとよいでしょう。

カロリーが高い妊娠授乳期用のごはんへの切り替えも、この時期に行うようにしましょう。これまでのごはんに少しずつ混ぜていき、慣れさせます。

受胎しているかどうかは、交配3週間後から受けられるエコー検査で確認できます。胎嚢と、心拍の確認ができれば妊娠しているかどうかが分かります。

犬の妊娠後期(7~9週)
7~9週は妊娠後期に当たります。母犬が怪我などをしないよう、段差がある場所や階段などの危険な場所には近づけないようにしましょう。

食欲旺盛な時期ですが、子宮が胃を圧迫することで、一度に食べられる量が減ることもあります。 食事の回数を1日4~5回に分けて、こまめにあげるとよいでしょう。

また、出産予定日の4~5日前には、レントゲン検査で胎仔の大きさや数の確認もできます。胎仔は小型犬では1~3匹、大型犬では5匹ほどが一般的です。

犬の出産直前
いよいよ出産が目前となると、母犬に落ち着きがなくなったり、床や寝床を引っ掻くなどの行動をとります。 レントゲン検査で骨盤の状態なども確認してもらい、出産に備えましょう。
出産間近は体温が低下します。 予定日の数日前から朝晩2回体温を計測し、出産のタイミングを掴み、栄養価が高く品質のよいごはんを食べさせましょう。

帝王切開でない限り、ほとんどの場合は自宅での出産となります。 動物病院でのアドバイスを受け、静かな環境で、清潔な出産場所を確保しましょう。 一部、短頭種や小型犬などでは難産になり帝王切開が必要な場合があります。 小型のわんちゃん、短頭種のわんちゃんの場合は、獣医師に事前に相談するようにしてください。

妊娠の症状がみられた際の対処法

愛犬に妊娠の症状がみられたら、どのように対処すればよいのでしょうか。 つわりや、営巣行動の対処についてご紹介します。

つわりの対処
つわりの症状が見られた場合には、まず不足しがちな水分補給を行いましょう。この時期は胎仔の器官を形成していますので、薬物投与は避けてください。つわりは一時的なもので、一般的には妊娠3週目を過ぎた頃に自然におさまります。しかし、つわりの症状がひどい場合には、動物病院で診てもらいましょう。

営巣行動の対処
営巣行動(えいそうこうどう)とは、巣作りなどを行う行動で、土に穴を掘ったり、掘れない床であっても引っ掻くような行動を起こします。 妊娠後期になると現れる営巣行動は、正常なものなので問題ありません。 犬の祖先であるオオカミは、妊娠すると本能的に外敵から見つからないような場所に穴を掘り、そこで出産、子育てをします。 犬もこの本能を引き継いでおり、母性本能から似たような行動をすることがあります。

母犬が落ち着けるよう、静かな環境と、横になっても充分なスペースのある産箱を準備しましょう。市販品でもよいですし、段ボール箱で作成することもできます。寒い時期であれば毛布を用意したり、室温の管理ができるような環境を整えてあげましょう。

出産前に飼い主ができる準備

犬の妊娠中は、飼い主はどのように対処すればよいのでしょうか。飼い主ができる準備についてご紹介します。

ごはんの内容や量を調整
妊娠中期には、それまでのごはんよりもカロリーの高い妊娠授乳期用フードに変える必要があります。急に変えると、お腹がびっくりして下痢や嘔吐などを起こすこともあるため、これまでのごはんに混ぜながら少しずつ切り替えていきましょう。

また、妊娠後期には食欲旺盛になるものの、大きくなった子宮で胃が押されて、一度に多くのごはんを食べられなくなります。1回の食事の量を減らし、回数を1日4~5回に増やしてあげましょう。

こまめな体温測定
いよいよ出産予定日の数日前となったら、こまめな体温測定を行います。朝晩2回、体温を測定して記録していきましょう。出産間近となると体温が下がるため、タイミングが掴みやすくなります。

出産場所の確保
犬の出産は帝王切開でない限りは、ほとんどが自宅での自然分娩となります。営巣行動が現れたら、出産場所を作りましょう。出産時は神経質になることから、母犬が落ち着ける環境が必要です。静かな場所に産箱を置きましょう。清潔なタオルを敷き、寒い時期には温度調節も忘れずに行うようにしてください。

出産予定日の確認
交配から22~30日目には、動物病院で検診を受け超音波検査を行い、妊娠の確認ができます。この際に出産予定日も確認しておき、飼い主も出産のための準備を始めていきましょう。

胎仔数を確認しておく
出産後に慌てないよう、胎仔数の確認を行っておきましょう。出産予定日の3~5日前に、動物病院のレントゲン検査で確認できます。

偽妊娠と難産について

妊娠ではなく、偽妊娠であることもあります。また、妊娠であっても難産となることもあります。このような場合の対処法についても知っておきましょう。

難産とは?難産が多い犬種は?
子犬の頭や足がつかえてしまったり、出産に時間がかかりすぎるなどの難産も予想されます。子犬が見えているのに出てこない場合や、強い陣痛が続いても出産が進まない場合は、無理に引き出そうとせず速やかに動物病院へ連絡してください。

また、陣痛が始まったにもかかわらず、出産されない場合も難産です。 羊膜のうが排出されたのに、そのままであったり、破れても2〜3時間以上経っても出産とならない場合には、動物病院での処置が必要です。 複数頭の出産で、次の子犬が2〜3時間以上経っても生まれない場合にも動物病院に相談しましょう。

難産は短頭種の犬種に多いとされています。 ブルドッグ、パグ、超小型犬のチワワ、ヨークシャテリアなどで、胎仔の頭が大きかったり、母犬の骨盤が小さいことから産道通過しにくいなどの理由が挙げられます。

偽妊娠が見られた場合はどうする?
発情期が終了し、妊娠していないのに妊娠しているような症状や行動を起こすことを「偽妊娠」と呼びます。食欲不振や味覚の変化、嘔吐などのつわりの症状や、体重増加などが認められるケースもあります。

偽妊娠により乳汁の分泌がされることもあり、この場合には、授乳や搾乳行為はしないようにしましょう。犬や同居犬が乳房を舐める場合には、刺激により乳汁の分泌が継続することもあるため、エリザベスカラーなどを装着するとよいでしょう。乳房が腫れあがり、熱感がある場合、乳腺炎や乳房炎の可能性もあります。

偽妊娠の症状は2~3週間程度で落ち着きますが、これより続く場合にはホルモン疾患の可能性もあるため、動物病院で診てもらいましょう。

遺伝性の病気の可能性

ペットとして飼育されている犬種の多くは、人間の手によって改良され固定化されたことにより、発症しやすい遺伝性の病気があります。毛色やサイズによる交配のタブーもあり、先天性疾患や、健康上のトラブルが発現することもあります。 犬の繁殖には知識も必要となることから、安易な自家繁殖はおすすめできません。繁殖を考えている場合は、獣医師や専門家に相談してみましょう。


まとめ

犬の妊娠についてご紹介しました。交配して4~6週間くらいで、お腹の膨らみが見られ、動物病院での触診やエコー検査で妊娠が判定されますが、その前の症状から、妊娠がわかることもあるでしょう。妊娠の兆候が見られたら、過度な運動を控えるなどできることから行ってください。また、妊娠から出産までは準備や気をつけるべきことも多いことから、愛犬の妊娠が分かった際にはかかりつけの動物病院に相談して、獣医師の指示を仰ぐことがおすすめです。

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